2025年は火星の色に関する論文発表が活発

今年(2025年)、「火星が赤い理由」について、海外と日本で論文が発表されました。

海外

2025年2月25日、オープンアクセス科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された内容です。

これまで

 火星の赤色は風化によって形成された無水ヘマタイトによるもの、と予想。

最新情報

 火星の塵に含まれる主要な酸化鉄相を特定。
 (フェリハイドライト(水酸化鉄鉱物の一種)、玄武岩、硫酸塩の超微細混合物など)
 古代、湿潤な気候で水が豊富だった時期にフェリハイドライトが形成され、その後、現在の乾燥した環境になった可能性が高い。
 →火星の赤色は、冷水によって酸化し形成されたフェリハイドライトによるもの、と予想。

参照

火星が「赤い理由」を覆す新たな理論、「さび」は30億年前に発生していた可能性 - CNN.co.jp
火星が「赤い」理由、塵の成分をついに特定 定説覆す研究結果 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

日本

2025年6月4日、日本の共同研究グループによる最新の論文が、米国化学会が発行する学術誌『ACS Earth and SpaceChemistry』のオンライン版に掲載されました。

新たな知見

 火星の古代、水の塩分が火星表面の色に影響を及ぼしていた可能性がある。
 高塩分の水で、フェリハイドライトがヘマタイトなどに変質することがわかった。
 →火星は、全体が塩分の高い水に満ちていた可能性がある。
  (そのため、火星全体が赤い色になったのかもしれない)

参照

火星が赤い理由に“塩水”が関係? 鉄酸化物の変質挙動に新たな知見 – 金沢大学

研究はこれからも続く

火星が赤い色について、日本も含め、世界中で研究されているんですね。

遠い未来で、人間が火星に行く時には、今の研究がきっと役立つのでしょう✨