「双子座さん、いよいよ“こううんき”ですね」
そんな言葉で始まった、2024年からの12年に一度の木星双子座期の1年。“幸運期”と書いて「こううんき」。
でも、1年を終えた今、私にはもう一つの「こううんき」がしっくりきている。そう、“耕運期”。この1年、私の心の土地には、たくさんの鍬が入った。大切な友人との別れ。築いてきた対話のグループが、バラバラになる気配。憧れだったボランティアガイドの現場では、自信を削られるような瞬間の連続。
星が言うところの“拡大と発展”は、たしかにあった。
でもそれは、心の奥深くを耕して、一度全部ひっくり返して、根っこから組み直すようなエネルギーだった。タロットで言えば、まず出たのは【塔】。次にやってきたのは、何度も姿を変えながら現れる【死神】。でも最後のほうに、ようやく【節制】や【星】がちらちら見えてきた気がする。
「幸運期って、ほんとに幸運だったの?」と聞かれたら、今ならこう答えるかもしれない。「うん、“幸運期”じゃなくて、“耕運期”だったよ」と。
そして最後に、私は1枚のカードを引いた。
【マジシャン・逆位置】。
そうか、これは「何でもできると思っていた自分」がほどけていく旅だったのかもしれない。器用に回してきたはずの道具が、今は少し手につかない。だけどそれは、もう一度“本当の始まり”を選びなおす前兆。土は耕された。あとは、自分の手で、新しい魔法を紡ぎ直すだけ。
あなたの“こううんき”には、どんなカードが顔を出しましたか?