先日、いつものようにお風呂に浸かりながら夜空のことを考えていると、ふと「土星が魚座にいる時期って、本当に特別な体験をもたらすなあ」と思い返していました。星読みの仕事をしていると、天体の動きとクライアントさんたちの心の変化には、本当に深いつながりがあることを日々実感しています。

土星が魚座に滞在する期間は、多くの方にとって「なんだかモヤモヤして方向性が見えない」「感情の波に振り回されて疲れてしまう」「現実と理想のギャップに悩む」といった体験をもたらすことが多いようです。

でも、私がこれまでのセッションで感じてきたのは、そんな混乱の時期だからこそ、心の奥にある本当に大切なものに気づけるチャンスでもあるということなんです。霧に包まれた道を歩くのは確かに心細いけれど、その先に見える景色は、きっと以前とは違って見えるはず。

今回は、私がクライアントさんとの対話や自分自身の体験を通じて感じた、土星魚座期の特徴と、この時期を少しでも穏やかに過ごすための心の準備と対策について、星読み師としての視点からお伝えしたいと思います。

土星が魚座にいるということ〜基本的な意味

土星って、占星術では「人生の先生」みたいな存在なんです。厳しいけれど愛情深い先生が、私たちに大切なことを教えてくれる。そんな土星が魚座という、海のように深くて境界線のない世界に入ると、とても興味深いことが起こります。

「見えないもの」に形を与える時期

魚座は夢や直感、感情といった「形のないもの」を司る星座です。一方、土星は「きちんと形にしなさい」「現実的に取り組みなさい」と教えてくれる天体。この組み合わせは、まるで霧の中で建物を建てるような挑戦を私たちに与えるんですね。

私がセッションをしていて特に感じるのは、この時期の方々が「なんとなく感じていることを、どうやって言葉にしたらいいかわからない」と悩まれることが多いということです。でも、これこそが土星魚座期の大切な学びなんです。曖昧だった感情や直感を、少しずつ現実の世界で活かせる形にしていく。それは決して簡単ではないけれど、とても価値のある作業なんです。

感受性への「責任」を学ぶとき

魚座の感受性の豊かさは本当に素晴らしい贈り物です。でも時には、その優しさや敏感さが重荷に感じられることもありますよね。土星魚座期は、そんな自分の感受性とうまく付き合う方法を学ぶ時期でもあります。

他の人の感情に振り回されすぎてしまったり、世の中の悲しみを自分のことのように感じて疲れてしまったり。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。土星は「その優しさを、適切にコントロールしなさい」「自分の心を守りながら人に寄り添いなさい」と教えてくれているんです。

土星魚座期によくある体験と感情の変化

魚座で過ごす土星は、私たちに様々な体験をもたらします。多くの方が共通して経験するのは、心の中に霧がかかったような感覚かもしれません。

心が霧に包まれたような感覚

「今まで明確だった目標が、急にぼんやりして見えなくなった」「自分が何をしたいのかわからなくなった」そんな相談を受けることが、この時期は特に多くなります。

これは決して悪いことではないんです。霧は視界を遮りますが、同時に空気を潤し、新しい命を育む働きもあります。心の霧も同じです。一時的に見通しが悪くなるのは、あなたの心が新しいものを受け入れる準備をしているからなんです。

「これでいいのかな」という迷いの感情も、とても自然なことです。私も魚座の影響を受けやすい星回りを持っているので、この「確信が持てない感じ」はよくわかります。でも、その迷いこそが、あなたをより深い理解へと導いてくれるのです。

感情の波に翻弄される日々

理由もなく涙が出てしまったり、なんとなく感傷的になったり。映画を見て号泣してしまったり、昔の写真を見て懐かしくなったり。そんな日が増えるのも、土星魚座期の特徴の一つです。

また、周りの人の感情や雰囲気に、いつも以上に影響を受けやすくなることもあります。友人の悩みを聞いただけで、まるで自分のことのように重たい気持ちになってしまったり。電車の中で不機嫌そうな人を見かけただけで、なんだか気分が沈んでしまったり。

これは、あなたの感受性が研ぎ澄まされているサインでもあります。土星は「その豊かな感性を、もっと上手に活用しなさい」と教えようとしているのかもしれません。

過去との向き合いが避けられない時

土星魚座期には、忘れていた記憶や感情が水面に浮かび上がってくることがよくあります。昔の恋人のことを思い出したり、子どもの頃の辛い体験が蘇ってきたり。最初は戸惑うかもしれませんが、これも大切なプロセスなんです。

心の奥に沈んでいた感情が浮かんでくるのは、それを癒し、手放す時期が来たというサインです。土星は「もう一度向き合って、きちんと整理しなさい」と言っているのです。

土星魚座期の隠された贈り物〜成長の機会

辛い時期のように感じられる土星魚座期ですが、実はとても大きな贈り物が隠されています。私がこれまで見てきた方々の変化を思うと、この時期を経験した人たちは、本当に深い優しさと強さを身につけているんです。

本物の優しさを身につける時間

土星魚座期を通して身につくのは、表面的な同情ではなく、深い共感力です。自分自身の心の波を経験することで、他の人の痛みや悲しみを本当の意味で理解できるようになるんです。

そして何より大切なのは、自分を守りながら人に寄り添う智慧を学ぶことです。優しい人ほど、自分を犠牲にして人を助けようとしがちですが、土星は「それでは本当の意味で人を助けることはできない」と教えてくれます。

創造性と直感力の開花

感受性が高まるこの時期は、創造的な才能が花開く絶好のチャンスでもあります。絵を描いたり、詩を書いたり、音楽を奏でたり。形のない感情やイメージを、美しい作品として表現する力が育まれるのです。

私自身も、この時期にクライアントさんのホロスコープを水彩画で表現するという独自のサービスを始めました。言葉では表現しきれない微妙な感情の色合いを、絵の具の滲みや色の重なりで表現できることに気づいたのです。

また、直感を現実的な行動に結びつける能力も発達します。「なんとなく感じること」を大切にして、それを具体的な選択や決断に活かしていく。そんな生き方ができるようになるのも、土星魚座期の贈り物です。

心の準備〜土星魚座期を迎える前に

土星魚座期をより穏やかに過ごすために、事前にできる心の準備があります。完璧にする必要はありません。できる範囲で、少しずつ取り組んでみてください。

感情の棚卸しをしてみる

まずは、自分の心の中にある感情を整理してみることをお勧めします。日記を書いたり、信頼できる人に話を聞いてもらったり。頭の中でぐるぐる回っている思いを、外に出してあげるんです。

私がよくクライアントさんにお勧めするのは、色鉛筆やクレヨンを使って、今の気持ちを色や形で表現してみることです。上手に描く必要はありません。ただ、心の中の感情に色をつけて、紙の上に出してあげる。それだけでも、心が軽くなることがあるんです。

もし一人では難しい感情があるなら、カウンセリングやセラピーの力を借りることも大切です。専門家の助けを求めることは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、自分を大切にする素晴らしい選択なのです。

現実的な夢の描き方を学ぶ

魚座は夢や理想を司る星座ですが、土星はそれを現実にするための計画を求めます。大きな夢を抱くのは素晴らしいことですが、それを小さなステップに分けて、一歩ずつ進んでいく方法を練習しておきましょう。

例えば、「いつか絵本作家になりたい」という夢があるなら、「今月はスケッチブックを1冊埋める」「来月は短いお話を一つ書いてみる」というように、具体的で達成可能な目標に分けてみるのです。

そして何より大切なのは、途中で挫折しても自分を責めないということです。土星魚座期は、完璧を目指すより、自分のペースで進むことを学ぶ時期なのですから。

土星魚座期を乗り越える具体的な対策

では、実際に土星魚座期を過ごしている時に、どのような対策を取れば良いのでしょうか。私が星読みの経験を通じて効果的だと感じている方法をご紹介しますね。

水の力で心を浄化する習慣

魚座は水の星座ですから、水の力を借りることがとても効果的です。私がいつもお風呂で星のことを考えているように、水に浸かることで心の浄化ができるんです。

入浴時には、その日のネガティブな感情や疲れを、お湯に流すイメージを持ってみてください。シャワーを浴びる時も、頭上から降り注ぐ水が、心の重たさを洗い流してくれるとイメージするのです。

海や川、湖などの水辺を散歩することも、心のリセットにとても効果的です。水の流れや音を感じながら、ゆっくりと歩く。それだけで、心の中の霧が少しずつ晴れていくのを感じることができるでしょう。

そして、涙を流すことを恐れないでください。涙は心の浄化作用があります。悲しい映画を見て泣いたり、美しい音楽を聴いて感動の涙を流したり。それも立派な心のケアの一つなのです。

境界線を守る日々の実践

感受性が高まるこの時期は、他の人の感情に巻き込まれやすくなります。だからこそ、心の境界線を守る練習が大切です。

まずは、小さなことから「NO」と言う練習を始めてみましょう。断ることに罪悪感を感じるかもしれませんが、自分の心を守ることは、結果的に周りの人のためにもなるのです。

また、エネルギーを奪われやすい人や場所を見極めることも大切です。話していると疲れてしまう人、いるだけで重い気持ちになる場所。そういったものから、適度に距離を取ることも必要です。

自分の感情と他の人の感情を区別する練習も効果的です。「今感じているこの重たさは、本当に私のものなのかな?」と自分に問いかけてみてください。案外、周りの人の感情を拾ってしまっているだけということもあるのです。

創造性でネガティブを変換する

土星魚座期のもう一つの対策は、創造性を活用することです。絵を描いたり、詩を書いたり、音楽を奏でたり。何でも良いので、形のない感情を形にしてみるのです。

私がクライアントさんによくお勧めするのは、気持ちを色で表現してみることです。今の感情は何色かな?その色を紙に塗ってみる。それだけでも、心の中の整理ができることがあります。

手作業や園芸なども、とても効果的です。土を触ったり、植物を育てたり。そうした「形にする」活動は、土星魚座期の課題である「見えないものを形にする」練習にもなるんです。

そして、直感を信じて何かを作る時間を大切にしてください。理論や技術も大切ですが、「なんとなく感じること」を形にしていく。それがこの時期の創造性の特徴なのです。

この時期を共に歩む〜一人じゃないということ

土星魚座期の困難や混乱を、一人で抱え込む必要はありません。同じような体験をしている人たちがいるということを、忘れないでくださいね。

分かち合う勇気を持つ

「こんな気持ちになるのは私だけかも」「誰もわかってくれないかも」そう思うことがあっても、勇気を出して信頼できる人に話してみてください。完璧でない自分を見せることは、決して恥ずかしいことではありません。

むしろ、自分の弱さや悩みを正直に話すことで、相手との関係がより深くなることもあるのです。お互いに支え合える関係を築くことも、土星魚座期の大切な学びの一つなんです。

プロの力を借りることの価値

カウンセリングやセラピー、占星術セッションなど、プロのサポートを受けることに対して、抵抗を感じる方もいるかもしれません。でも、専門家の力を借りることは、とても価値のある選択なのです。

私がセッションをしていて感じるのは、一人で抱え込んでいた悩みを話すだけで、クライアントさんの表情が明るくなることです。誰かに聞いてもらい、理解してもらうこと。それだけで、心の重荷が軽くなるのです。

あなたに合ったサポートを見つけることも大切です。星読みが好きな方もいれば、心理学的なアプローチが合う方もいる。いろいろ試してみて、自分にぴったりの方法を見つけてくださいね。

霧が晴れた先に見える、新しいあなたへ

土星魚座期は、確かに簡単な時期ではありません。心が霧に包まれたような感覚や、感情の波に翻弄される日々があるかもしれません。でも、この時期を通して私たちが手に入れるものは、とても大きく、かけがえのないものなのです。

それは、本物の優しさであり、深い共感力であり、人生の本質を見抜く智慧です。霧が晴れたとき、あなたはきっと以前よりもずっと強く、そして優しい人になっているでしょう。

私も魚座の影響を強く受ける星回りを持っているので、この時期の大変さはよくわかります。だからこそ、あなたが一人でこの時期を乗り越える必要はないということを、お伝えしたいのです。

なんとなくモヤモヤして、『これでいいのかな』と迷ってしまう気持ち、とてもよくわかります。それは土星魚座期の特徴的な体験なので、自分を責めなくて大丈夫なのです。

感情の波に翻弄されて疲れてしまう日があっても、それはあなたの感受性が豊かだからこそ。この時期は、その繊細さを上手に守りながら活かす方法を学ぶ時間なのです。

水は一滴では小さくても、集まれば大きな力になります。私たち一人ひとりが持つ優しさや感受性も同じです。この時期を、あなたらしい歩み方で、そして信頼できる人々と共に歩んでいってくださいね。

星の導きがあなたの心を照らし、穏やかな日々をもたらしてくれますように。