昨日アップしたものの続きです。

長くて字の量も多めですが、自分でも驚くほど楽しく書けました。

今は「まずは自分が楽しめることをする」がテーマなので、自分との約束を守れた気持ちです。

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私の前には今、巻き寿司や大きな長方形の鯖寿司、オードブルの大きなお皿がズラリと並んでいる。

高山くんのお母さんが「紙皿でごめんね。たくさん食べて!」と並べながらにこやかに勧めてくれる。

お腹は空いているけれど、緊張で固まってしまって、私は小さくペコリと頭を下げ、意を決して割り箸を取った。
高山くんはすでにモリモリと食べ初めている。

なぜこんなところにいるかと言うと...おみくじをひきに高山くんの座っていた御札所に行って、そのときに昼から気になって仕方なかったライオンズゲートのことを質問していたら、高山くんの叔父さんがやってきた。

高山くんに声をかけにきたらしい。
正確には女子と喋っているのを拝殿から遠目に発見して、ひやかしに来たらしい。

「おー!モトヒロの彼女!?」

高山くんの叔父さんはこの神社の神主なので、お祭りの今日は烏帽子を被って着物や袴の上に平安貴族のような立派な衣装を着ていたけれど、口調は軽かった。

高山くんがぎょっとした顔になっているうちに高山くんの叔母さんがお札番の交替に来て、そしたら私を探しに来たお母さんが叔母さんと15年ぶりぐらいの再会をしてしまい、私そっちのけでトークが始まってしまった。

そういえば、お母さんはここの出身なので、知り合いも多いんだった...

高山くんは晩ご飯みたいだし、お母さんは当分喋っているだろうし、1人で屋台でも見に行こうかなと思っていたら、高山くんのお母さんが来て「一緒に食べない?」と誘ってくれたのだった。

ちなみに高山くんの叔父さんはこのあとまたやることがあると慌てて拝殿に戻って行った。
ホントにひやかすためだけに来たんだな...

さっき、高山くんに
ライオンズゲートのライオンは獅子座の獅子のことで、今は太陽が獅子座にある時期ということ、さらにその太陽が朝日として昇るときにシリウスというとても明るい星と並ぶらしくて、その期間のことをライオンズゲートというと教えてもらった。

今年のライオンズゲートは7/26〜8/12で、今日は8/2だから、まさにライオンズゲートの真っ只中ということが分かった。

でも、ライオンズゲートってなんだろう?
水星逆行みたいに何か私たちに影響があるのかな?

鯖寿司をいただきながら、高山くんに質問してみた。

「星読みのサイトには、ライオンズゲートの時期は宇宙からのエネルギーが力強く降り注ぐって書いてあった。」

「宇宙からのエネルギー?」
「実は俺もよくわからないんだけど。」

と言いながら、高山くんはスマホで開いたぺージを見せてくれた。

ライオンズゲートの説明が書かれていて、直感が冴えやすかったり、悩みごとの解消や、やりたいことが見つかるということも書いてあった。

とても強いエネルギーだから、体調や精神状態に影響がある人もいるみたい。

「あ、神社やお寺やパワースポット巡りをしたら良いって書いてる!私たち、まさに今、神社にいるよね!」
「おおっ やった!」

こういう偶然って、なんだか嬉しくなる。
私たちは顔を見合わせて笑った。

サイトには、他にもたくさんの星読み情報があって、私の星座、魚座のことが書いてあるぺージもあった。

家に帰ったら、お母さんのパソコンで見させてもらおうと心に決める。
パソコン、夏休み前に真っ暗画面になったきり全然開いていないけれど、開くかな。
水星逆行は8/11までみたいだから、まだ無理かな。

などと考えていたら、社務所の入口に回ってきたお母さんがそろそろ帰ろうと呼びに来た。

高山くんに「教えてくれてありがとう。」と言って、高山くんのお母さんに「ごちそうさまでした。ありがとうございました。」と挨拶して、社務所を出た。

もうお腹いっぱいで、屋台を見てまわるのはやめて、おばあちゃんの家に帰ることにした。

浴衣を脱いで、お風呂に入って、おばあちゃんの家の客間に敷いてもらったお布団に入るまで、私はライオンズゲートや星読みのことで頭がいっぱいだった。

もっと知りたい。
星読みのことを知ったら、今までぼんやりしていた自分のこと、他の人のこと、心のことが分かるような気がする。

わくわくしてなかなか寝付けなかったけれど、なんだか楽しかった。

翌日は昼前にはおばあちゃんの家を発つことになったので、その前にちょっとだけ時間をもらって、私はまた神社に向かった。

今日は神社では本祭があって、朝からまた太鼓や笛が鳴っていた。
昨日の晩ほどじゃないけれど、たくさんの人がいる境内をすり抜けるように歩いて御札所に行くと、今日も高山くんが座っていた。

「おはよう。おばあちゃんとお母さんからどうぞって預かってきた。」
と、ゼリーやジュースがたくさん入った袋を渡す。

高山くんは「おっ」と嬉しそうな顔で受け取ってから、ありがとうと言った。

「このあと家に帰るんだけど、高山くんは?今日もずっとお札番?」
「うん。夕方ぐらいまでかな。終わったら叔父さんが小遣いくれるから、もらうまでは帰れない。」

と言ってニカッと笑った。
「バイトだね。」
「バイト。バイト。」

普通なら中学生で出来るアルバイトなんかあまりないから、ちょっと羨ましい。

「ライオンズゲートが開いていたら、やりたいことが見つかる人もいるって書いていたけど、私、やりたいことが見つかったよ。星読みのことがもっと知りたくなった。教えてくれたホームぺージ、私も読んでみるね。ライオンズゲート、すごいね!」

高山くんは目を見開いて「うん。」としか言わなかったけれど、ちょっと嬉しそうに見えたのは気のせいかな。

バイバイ。また二学期ね。

一学期の間、席が前後していたにも関わらずほとんど話さなかった私たちが、夏休みになってからこんなに話したなんて不思議だけれど、これも水星逆行やライオンズゲートのパワーなのかなと嬉しくなりながら、手を振った。
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ここまで読んでくださった方には、ありがとうございました。

自分で小説を書くなんて、ずっとやってみたかったけれど本当に初めてで、長らく自分には出来ないと思っていました。

そんな思い込みを越えて一話書けたのは、これもやっぱり
水星逆行(見直し、振り返り)
ライオンズゲート(やりたいことを見つける)
の影響かもしれません。
これらの期間が終わったあと、今までできなかったことに踏み出したくなっていました。

宇宙パワーをたくさん浴びて、自己表現したい私の獅子座金星もイキイキしたような気がしてなりません。

またやってみたくなっています。

いつかまた...

※お話の中に出てくる「星読みのサイト」は、&Uさんの星読みテラスをモデルにさせていただきました。
また、ライオンズゲートの説明も引用させていただきました↓
https://sup.andyou.jp/hoshi/