昨日の鑑定ルームに、表情を硬くして入ってきた40代の女性。彼女は「パートナーに心を開けない」と悩んでいました。ホロスコープを広げると、そこには月が山羊座で7ハウスに位置する配置が。この配置を持つ方々は、感情をそのまま表すのが苦手で、つい「感情の壁」を築いてしまうもの。でも、その壁は決して悪いものではありません。月×山羊座×7ハウスというこの配置は、独特の「感情の守り方」と「愛の受け取り方」を教えてくれるんです。

「感情の壁」の正体 〜あなたの心を守るしくみ〜

山羊座の月を持つ人は、感情をコントロールするのが上手。特に7ハウスにあると、対人関係の中でその傾向が強く表れます。鑑定の中でよく聞くのは「感情を見せると弱みを握られるような気がする」という言葉。このように思うのには、ちゃんと理由があるんですよ。

山羊座は土のエレメント。地に足をつけ、現実的に物事を見る星座です。そんな山羊座の特性を持つ月は、感情が先走りすることを警戒します。これは欠点どころか、あなたを守る大切なしくみなんです。感情の波に翻弄されず、どんな状況でも踏ん張れる強さにつながっています。

私が鑑定でお会いした方々は、この「感情の壁」に悩みながらも、実は周りから「いつも頼りになる」「落ち着いている」と評価されていることが多いんです。内側では感情が渦巻いていても、外側は穏やかに見えるという不思議なギャップ。それがあなたの魅力の一つでもあります。

このギャップがもたらす魅力は、実はとても奥深いものなんです。まず、あなたの落ち着いた佇まいは、周りの人に安心感を与えます。感情の嵐に揺れる現代社会の中で、あなたの存在は静かな港のよう。混乱した状況でも冷静さを失わないあなたの姿は、知らず知らずのうちに周囲の人の心の支えになっているんですよ。

さらに、このタイプの方に共通しているのは、言葉よりも行動で気持ちを伝える誠実さ。大げさな感情表現をしなくても、必要な時にそっと手を差し伸べる。パートナーが疲れて帰ってきた時、何も言わずにお茶を淹れる。親友が悩んでいる時、ただ静かに話を聞く。その控えめな思いやりが、実は深い愛情表現なんです。

そして、信頼関係が深まった時にだけ見せる素の表情には特別な価値があります。普段は感情を表に出さないからこそ、心を開いた瞬間の笑顔や涙は、相手にとってかけがえのない宝物のように感じられるんです。それは「この人だけに見せる私」という特別感を生み出し、より深い絆を育みます。

山羊座の月が7ハウスにある方の魅力は、ファストフードのような即席の関係ではなく、じっくり煮込んだスープのような深い味わいを持つ関係性の中で輝き出すものなのかもしれませんね。

頼られることで感じる「安心」と「疲れ」のバランス

先日、30代前半の男性クライアントが「パートナーに頼られるのは嬉しいけど、疲れる時もある」と打ち明けてくれました。山羊座の月が7ハウスにある方は、パートナーシップの中で「支える役割」を自然と引き受けてしまうんです。

責任感が強いあなたは、相手の悩みや問題を一緒に解決しようとします。実はこれ、感情を直接表現する代わりに「行動で愛情を示す」方法なんですよ。問題は、頼られることで安心感を得る反面、自分の感情ケアがおろそかになりやすいこと。

「相手の気持ちを大切にするあまり、自分の気持ちがわからなくなる」という声もよく聞きます。これは山羊座の月が7ハウスにあるあなたならではの課題かもしれません。自分の感情を後回しにする習慣が、いつの間にか「感情の壁」を高くしているのかも。

本当の自分を少しずつ見せられる関係づくり

星を読み解くと、あなたにとって大切なのは「時間をかけて築く信頼関係」だとわかります。山羊座の月を持つ人は、一度に心を開くのではなく、少しずつ自分を見せていくのが自然なリズム。そして7ハウスは「互いを尊重する対等な関係」を求めています。

もし感情を表現するのが苦手と感じたら、まずは小さな一歩から。「今、少し悲しい」「これが嬉しかった」など、シンプルな言葉で自分の気持ちを伝えてみましょう。最初は照れくさく感じるかもしれませんが、繰り返すうちに自然になっていきますよ。

私がこの配置を持つクライアントさんに提案しているのは「感情日記」です。その日感じた気持ちを、誰にも見せる必要なく書き留めるだけ。これが自分の感情を認識する練習になります。そして、信頼できる相手には、その日記の一部を少しずつ見せていくのも良いかもしれません。

山羊座の月が求めるのは「安全な場所でこそ見せられる素直な自分」。それはパートナーシップの中で少しずつ育んでいけるものです。時間をかけてじっくり心を開くことで、より深い絆が生まれるんですよ。

星からのメッセージ

月×山羊座×7ハウスという配置は、決して「感情表現が下手」という意味ではありません。むしろ「誠実な関係性の中でこそ、本当の自分を表現できる」という特別な感性を持っているんです。

あなたの「感情の壁」は、大切な心を守るためのもの。それを少しずつ、信頼できる人に見せていくことで、より豊かな関係性が育まれていきます。焦らず、自分のペースで。それがあなたらしい愛の表現であり、受け取り方なのですから。