中秋の名月 ~10月6日~
秋の夜、空気が澄み渡る中で迎える中秋の名月。
雲がかかって月が見えなくても、
その光は、目に見えない祈りのように、静かに世界を包み込んでいます。
軒先や窓辺に揺れる芒の穂。
古くから芒は、鋭い葉先で邪気を祓い、月の神様を迎える清めの草とされてきました。
そして同時に、月の神が降り立つ依り代として、人と天をつなぐ神聖な橋渡しの役割を担ってきたといわれています。
その細い穂先に宿る光は、見えない祈りをそっと運び、私たちの暮らしを静かに清めていきます。
中秋の名月は「受け取る」夜。
一年の歩みを振り返り、実りと安寧に感謝を捧げる時間です。
その感謝の祈りが、心の中の余分なものをやわらかく溶かしていきます。
牡羊座満月 ~10月7日~
そして翌日の昼、月は牡羊座に移り、太陽と正対して満月を迎えます。
静けさの夜から、炎の昼へ――
名月の祈りが、行動の光へと転じるとき。
牡羊座満月は「勇気」と「決意」の象徴であり、
同時に“凝り固まったものを手放す”ための強い浄化のタイミングでもあります。
満月は、形になったものがいったん満ちて、放たれていく瞬間。
執着や迷い、古い習慣、
もはや自分を支えなくなった思考を優しく手放していくことで、
新しい光が心に入りやすくなります。
この手放しは、決して「失う」ことではなく、
本来の自分に戻るための“祓い”のようなもの。
芒が邪気を祓うように、
満月の光は私たちの内側の澱を清め、意志の炎をもう一度まっすぐにしてくれます。
共鳴
中秋の名月で「感謝と祓い」を受け取り、
牡羊座満月で「手放しと始まり」へと歩みを進める。
それがこの二夜に流れる星々の呼吸です。
今日のハーブ:ジンジャー(生姜)
芒が月の神を迎えるように、
ジンジャーは身体の奥に眠る熱を呼び覚まし、生命のめぐりを整えるハーブ。
火のエレメント・牡羊座との親和性もあり、
冷え込みが始まるこの季節に、意志と行動を温めてくれます。
~ジンジャーティーの作り方~
【準備するもの】
・生姜
・ティーカップ
・熱湯
・はちみつ(お好みで)
【作り方】
■準備:ティーカップをあらかじめ温めておく
1.ティーカップに薄くスライスした生姜を2~3枚入れる
2.ティーカップに熱湯を注ぐ
3.3~5分蒸らす
お好みではちみつを少量入れると飲みやすくなります。
お茶を抽出した生姜はそのまま食べてもOK!
※刺激が強いので妊婦さんは控えてくださいね。
結びに
中秋の名月は「祓いと感謝の夜」。
牡羊座満月は「手放しと新しい始まりの昼」。
芒の穂は月の神の依り代として天と地を結び、
満月の光は不要なものを祓い、新しい意志を呼び覚まします。
静けさと炎がひとつになるとき、
祈りは形を持ち、未来へと息づき始めるのです。
あなたの毎日に柔らかな明かりが灯りますように。
星読み師・銀河