シナストリーって何?二人の星を重ねる意味
シナストリーは、二重円、つまり二人のホロスコープを重ね合わせて星同士の関係性を読み解く技法です。「なぜこの人なの?」という問いへの答えがここにあります。単なる相性判断ではなく、二人が何を学び合うために出会ったのかを示す地図。深い関係性の意味を知りたい方に、基本から見ていきましょう。
シナストリーで見えてくる「引き合う力」の正体
二人のホロスコープを重ねると、お互いの天体同士が特定の角度(アスペクト)を作ります。角度が「引き合う力」を生み出すのです。
たとえば、あなたの金星と相手の火星が調和の角度(120度)を作っていたとします。金星は愛情や美意識を、火星は情熱や行動力を表す天体。二人が一緒にいると自然と温かい気持ちが湧き上がり、相手のために何かしたくなる。そんな心地よい引力が生まれます。
一方で、緊張関係を示す角度(90度や180度)もあります。あなたの太陽と相手の土星が90度の関係にあると、相手といると何だか窮屈に感じたり、認めてもらえない気がしたりするかもしれません。でも、「悪い相性」ではないのです。IT業界でデータ分析をしていた頃から多くのカップルのホロスコープを見てきましたが、緊張関係を持つ二人ほど、お互いを深く成長させ合っていました。困難な配置も「魂が選んだ学びの機会」なのです。
相性占いとシナストリーの違い|表面的な〇×判定を超えて
雑誌の相性占いを見ると「牡羊座と蟹座は相性△」といった判定がありますよね。でも、シナストリーは単純な良し悪しの判断とは全く異なります。
シナストリーが教えてくれるのは「なぜ関係が生まれたのか」「この人を通して、あなたは何を学ぼうとしているのか」という、もっと深い問いへの答えです。鑑定にいらしたクライアントさんで、パートナーとの衝突が絶えず「私たち、合わないのかも」と悩んでいた方がいました。二人のホロスコープを見ると、お互いの太陽が90度の緊張関係。でも同時に、月同士は調和の角度を作っていたのです。
「あなたたちは価値観の違いをぶつけ合うことで、お互いの視野を広げ合っている。感情の深いところでは通じ合っているから、衝突に耐えられるんですよ」とお伝えしたとき、「そうか、学び合ってたんだ」と腑に落ちた表情をされました。その後、衝突のたびに「また学びのチャンスが来た」と笑えるようになったそうです。
シナストリーが教えてくれる「この人に出会った意味」
占星術では「偶然の出会い」は存在しないと考えます。あなたがこの人に出会ったのは、魂が成長するために必要だったから。シナストリーは、出会いの意味を教えてくれます。
私自身、33歳で休職し、離婚も経験しました。当時は辛くて仕方なかったのですが、後になって元夫とのシナストリーを見返したとき、「ああ、学ぶべきことがあったんだ」と深く納得したのです。彼の冥王星が私の太陽に重なっていて、私に「変容」を促す配置でした。あの経験がなければ、今の占星術へのアプローチは生まれなかったでしょう。
辛い関係性も、うまくいかない関係も、すべてに意味があります。「なぜこの人なのか」を知ることで、関係性への向き合い方が変わっていくのです。

【パートナーシップ】
シナストリーで見る二人の相性と成長ポイント
恋愛や結婚において、シナストリーはなぜ惹かれ合うのか、どこでぶつかりやすいのかを明確に示してくれます。相性の良し悪しではなく、二人がどう成長し合えるかを読み解きます。パートナーとの関係をより深く理解したい方に、実践的な視点をお伝えしていきましょう。
二人が惹かれ合う理由|シナストリーで分かる恋愛の引力
「この人だ」と感じる瞬間、背景には星の配置があります。恋愛において特に強い引力を生むのが、金星と火星の関係です。
あなたの金星と相手の火星が調和していると、自然と「この人を喜ばせたい」「この人のために何かしたい」という気持ちが湧いてきます。金星は「愛され方」を、火星は「行動の仕方」を表す天体。二人の間で愛情と行動がスムーズに循環し、心地よい関係が生まれるのです。
太陽と月の関係も重要です。あなたの太陽と相手の月が調和していると、「この人といると自分らしくいられる」と感じるでしょう。太陽は魂の目的を、月は感情の安心を表します。魂レベルでの共鳴が、深い絆を作り出します。
鑑定で印象的だったのは、出会って3日で結婚を決めたカップル。二人のホロスコープを見ると、お互いのアセンダント(第一印象を表す点)が相手の太陽の近くにありました。「会った瞬間、懐かしい感じがした」という言葉通り、魂が認識し合ったのでしょう。
なぜいつも同じところでぶつかるの?シナストリーが示す課題
愛し合っているのに、いつも同じパターンで喧嘩になる。そんな経験はありませんか?シナストリーを見ると、繰り返されるパターンの背景が見えてきます。
相手の土星があなたの個人天体(太陽、月、金星、火星)に関わっていると、「認めてもらえない」「制限される」と感じやすくなります。土星は試練と成長を表す天体。相手が意識的に制限しているわけではなく、あなたに「成熟」を促しているのです。パートナーから厳しい言葉を投げかけられたとき、「私を成長させようとしてくれているんだ」と捉え直すことで、関係性は深まっていきます。
冥王星が関わる関係は、さらに強烈です。相手の冥王星があなたの金星に重なっていると、愛情が執着に変わりやすく、「この人なしでは生きられない」と感じるほどの強い引力が生まれます。でも、依存ではなく、お互いを変容させ合う関係として向き合うことが大切。冥王星は「死と再生」を司る天体です。古い愛情のパターンを手放し、より成熟した愛へと進化させてくれるのです。
シナストリーを活かした関係の育て方|成長し合う二人になる
シナストリーを知ったら、関係をどう育てていけばいいのでしょうか。
まず、相手の月星座を理解してみてください。月は「安心できる場所」を表します。相手の月が蟹座なら家庭的な温かさを、水瓶座なら適度な距離感を求めているかもしれません。相手が安心できる環境を整えることが、関係を安定させる土台になります。
お互いの金星が求めるものを尊重し合うことも大切です。あなたの金星が牡羊座で相手の金星が天秤座なら、あなたは情熱的な愛を、相手は調和的な愛を求めています。「愛し方が違う」と批判するのではなく、「そういう愛し方もあるんだ」と受け入れる柔軟性が、二人を成長させます。
鑑定後にお渡しする「星のワークシート」では、二人の配置を活かす具体的なステップをお伝えしています。数年後のフォローアップで「あのとき教えてもらった星の見方を意識したら、関係が変わりました」という声をいただくたび、意識的な選択が関係性を変える力を持つのだと実感します。

【親子関係】
シナストリーで読み解く、親と子の魂のつながり
親子関係にもシナストリーは大きな示唆を与えてくれます。「なぜこの子は私のもとに生まれてきたのか」。そこには深い意味と、お互いの成長のヒントが隠されています。発達障害や不登校で悩む親御さんからの相談も多く、星の視点が新しい理解をもたらすことがあります。
親子のシナストリーが教えてくれる「この子との縁」
親子関係は、恋愛やパートナーシップとは異なる「魂の学び合い」の形です。子どもは親を選んで生まれてくる、という考え方が占星術にはあります。
子どもの月が親のどの天体と関わるかを見ると、養育のヒントが見えてきます。子どもの月があなたの太陽と調和していれば、あなたが自分らしくいることで子どもは安心します。でも、子どもの月があなたの土星と緊張関係にあると、あなたが「しっかりしなさい」と言うたびに、子どもは委縮してしまうかもしれません。
印象深かったのは、発達障害と診断された10代の少年とお母さんの鑑定です。お母さんは「なぜこの子はこんなに理解できないんだろう」と悩んでいました。二人のホロスコープを見ると、息子さんの太陽が水瓶座で、お母さんの太陽が蠍座。水瓶座は自由と個性を、蠍座は深いつながりを求める星座です。
「息子さんは、あなたに『違いを受け入れる柔軟性』を教えるために来たのかもしれませんね」とお伝えしたとき、お母さんの目に涙が浮かびました。その後、息子さんの個性を尊重するようになり、親子関係が穏やかになったそうです。
なぜ分かり合えないの?親子のシナストリーで見る課題
親子だからこそ、分かり合えない苦しさは大きいもの。シナストリーを見ると、その理由が見えてきます。
親の土星が子どもの個人天体に重なっていると、親は無意識に「こうあるべき」という期待を子どもにかけてしまいます。土星は「責任と規律」を表す天体。親自身が社会から受けてきた抑圧を、子どもに投影してしまうのです。「私が果たせなかった夢を、この子に」という思いの背景に、土星の影響があるかもしれません。
世代差も大きな要因です。天王星、海王星、冥王星は世代天体と呼ばれ、同世代で同じ位置にあります。親世代と子世代では、価値観や世界観が根本的に違う。「なぜ私の時代の常識が通じないの?」という戸惑いは、世代天体の違いから来ているのです。
私自身、離婚を経験したとき、自分の未完了の課題が娘との関係に影響していることに気づきました。親自身が癒されていない傷は、子どもとの関係に映し出されます。「子どもは親の鏡」という言葉は、占星術的にも真実なのです。
シナストリーを子育てに活かす|子どもの個性を輝かせる関わり方
シナストリーを知ると、子育てがぐっと楽になります。「こうあるべき」ではなく、「この子はこういう子なんだ」と受け入れられるようになるからです。
子どもの月星座を理解すると、安心できる環境が整えられます。月が牡羊座の子は、自由に動き回れる空間を。月が蟹座の子は、温かい家庭的な雰囲気を求めています。子どもが落ち着かないとき、「甘やかしすぎかな」と悩む前に、月星座が求める環境を整えてあげてください。
子どもの金星を知ると、愛情の伝え方も分かります。金星が獅子座の子は、褒められることで愛を感じます。金星が山羊座の子は、実用的なサポートが愛情だと受け取ります。「愛しているのに伝わらない」と感じるなら、子どもの金星が求める形で愛を表現してみてください。
子どもの火星は、エネルギーの発散方法を教えてくれます。火星が牡羊座なら体を動かすスポーツを。火星が双子座なら知的な刺激を。健全にエネルギーを使える場を用意することで、問題行動は減っていきます。
「家族星座講座」では、親御さんたちに星の視点をお伝えしています。不登校の子どもとの関わり方に悩んでいたお母さんが、子どもの太陽星座が示す「生きる目的」を理解したことで、「学校に行かせなきゃ」という焦りから解放され、子どもの選択を見守れるようになった事例もあります。

【実践】あなたもできるシナストリーの読み解き方
シナストリーは専門家だけのものではありません。基本的なポイントを押さえれば、あなたも大切な人との関係性を読み解けます。まずは無料ツールを使って、二人のホロスコープを見てみましょう。
シナストリーを読むための最初の一歩|必要な情報と準備
シナストリーを読むには、二人の出生データが必要です。生年月日、出生時刻、出生地の3つ。特に出生時刻は重要で、数分違うだけでアセンダント(上昇点)が変わってしまいます。
母子手帳や出生証明書で確認できるのが理想ですが、分からない場合は「正午」で仮に作成してもいいでしょう。ただ、月の位置も1日で約13度動くため、より正確な時刻が分かると精度が上がります。IT技術者だった頃の性分で、私は1分単位の正確さにこだわってしまいますが、まずは大まかな傾向を掴むことから始めてください。
無料でホロスコープを作成できるサイトはいくつかあります。「astro.com」「星読みテラス」「ホロスコープ作成」などで検索すると見つかります。二重円(シナストリーチャート)を表示できるサイトを選んでください。
私がおすすめするのは、ホロスコープを紙に印刷して、色ペンでマークしていく方法。パソコン画面より、手を動かしながら読むほうが理解が深まります。
ここを見て!シナストリーで最初にチェックする3つのポイント
シナストリーチャートを見ると、たくさんの線や記号があって圧倒されるかもしれません。でも、最初に見るべきポイントは3つだけです。
1. 太陽と月の関係 あなたの太陽と相手の月が調和(0度、60度、120度)していれば、魂と感情がスムーズにつながります。「この人といると自然体でいられる」と感じるはず。緊張(90度、180度)していれば、価値観と感情のズレを感じやすくなります。
2. 金星と火星の関係 恋愛における引力を見るなら、金星と火星です。あなたの金星と相手の火星、またはあなたの火星と相手の金星が調和している(0度、60度、120度の角度を作っている)と、恋愛感情が自然と湧いてきます。たとえば、あなたの金星が牡牛座にあり、相手の火星が乙女座にあれば120度。愛され方と行動の仕方がスムーズにかみ合い、「この人といると心地いい」「もっと一緒にいたい」という気持ちが自然に生まれるのです。緊張関係(90度、180度)でも、むしろ刺激的な魅力を感じるでしょう。
3. アセンダント同士の関係 アセンダントは第一印象を表します。お互いのアセンダントが調和している(0度で重なっている、または60度、120度の角度を作っている)と、「初めて会った気がしない」「すぐに打ち解けられた」という感覚が生まれます。たとえば、あなたのアセンダントが獅子座で相手のアセンダントが射手座なら120度。どちらも火の星座で、オープンで明るいエネルギーを持ち合わせているため、会った瞬間から「この人、話しやすい」と感じるはずです。出会いの瞬間の"ピン"とくる感覚は、アセンダント同士の共鳴かもしれません。
複雑な概念を理解しやすくするため、私は図解やフローチャートをよく使います。「太陽=魂の目的」「月=感情の安心」「金星=愛され方」「火星=行動の仕方」と覚えておくと、読み解きやすくなりますよ。
深く知りたいときは|シナストリー鑑定で得られること
基本的な読み方を知った上で、さらに深く関係性を理解したいなら、専門家の鑑定をおすすめします。
私の鑑定では、データ分析と直観、そして対話を組み合わせています。IT業界で培った論理的思考と、占星術の直観的アプローチを融合させた独自のスタイルです。二人のホロスコープを印刷して色ペンでアスペクトパターンを視覚化し、「星のストーリーテリング」という手法で物語として読み解いていきます。
特に大切にしているのが「内なる天体会議」というワーク。あなたの内側にある異なる側面(太陽、月、火星など)を対話させることで、関係性の中での自分の声を聴いていきます。「相手が悪い」のではなく、「自分の内側で何が起きているのか」に気づくことが、関係性を変える第一歩なのです。
鑑定後には「星のワークシート」をお渡しして、実践的な自己探求の課題を提供しています。数年後にフォローアップすることも多く、実際にどんな変化があったかを確認します。意識的な選択を続けることで、星が示す可能性の地図を歩んでいけるのです。
【まとめ】シナストリーで読み解く二人の関係性と成長の可能性
シナストリーは、あなたがこの人に惹かれる理由を教えてくれるだけでなく、二人がどう成長し合えるのかという可能性の地図を示してくれます。パートナーとの衝突も、子どもとの葛藤も、すべてが魂の学び合いの一部。星は運命を決めるものではなく、あなたの内なる可能性を映し出す鏡なのです。
まずは大切な人との関係性を、星の視点から見つめ直してみませんか?そこには、あなたがまだ気づいていない関係性の深い意味と、新しい未来への扉が開かれています。もっと深く知りたい方は、ホロスコープ鑑定で一緒に星の地図を読み解いてみましょう。