先日、セッションを終えた後、クライアントの方が静かにこう言いました。


「本当は信じたいんです。でも、怖くて」


その言葉が、今もずっと心に残っています。月が蠍座にあるその方は、少し前に職場で信頼していた人から裏切られる経験をされたそうで、それ以来、誰のことも素直に信じられなくなってしまったと話してくれました。


もしかしたら、あなたも同じように感じたことがあるかもしれません。信じたい気持ちと、傷つきたくない気持ちの間で、心が揺れる瞬間。


傷つくのが怖いから、先に壁を作ってしまう


その方は30代の女性で、以前はとても心を開いて人と接する方だったそうです。でも、ある日突然、信頼していた同僚から陰で悪口を言われていたことを知ってしまった。それからというもの、人の言葉の裏を読むようになり、誰かが優しくしてくれても「何か裏があるんじゃないか」と疑ってしまうようになったと言います。


蠍座の月を持つ方々と接する中で、よく感じることがあります。それは、信じる時は本当に深く信じるということ。だからこそ、裏切られた時のダメージも、他の人とは比べものにならないほど大きいんです。


心の奥深くまで人を受け入れるからこそ、一度裂かれた傷は簡単には癒えない。そして気づいたら、傷つく前に先に壁を作ってしまう。全部見抜いているような冷静さで人を観察しながら、実はすべてを疑っている状態。それが蠍座の防衛本能なのかもしれません。


抱え込みすぎないために、小さく手放す練習を


もうひとつ、蠍座の特徴として感じるのは、感情を一人で抱え込んでしまうこと。


「誰かに話したら弱みを見せることになる」「こんな気持ち、理解してもらえない」そんな風に思って、ぐっと心の奥に押し込めてしまう。でも、押し込めた感情は消えるわけじゃなくて、どんどん重くなっていく。そしてますます孤独になっていく。


そのクライアントの方とお話ししていく中で、少しずつ見えてきたことがありました。それは「完全に信じなくてもいい」という視点です。


信頼って、0か100かじゃなくていい。ほんの少しだけ、小さなことから話してみる。それで裏切られたら、その人との距離を調整すればいい。全部を明かす必要はなくて、まずは天気の話でも、ちょっとした愚痴でもいい。


あと、私がよくおすすめしているのは、感情を書き出してみることです。誰にも見せなくていいから、今感じていることをそのまま紙に書く。水のサインの特性として、感情は流れたがっているんです。溜め込むと澱んでしまうけれど、言葉にして外に出すと、少しずつ動き始める。


少しずつ、あなたのペースで




あのクライアントの方は今、完全に人を信じられるようになったわけではありません。でも、「少しだけ楽になった」と言ってくれました。疑うことも、壁を作ることも、全部あなたが自分を守るために身につけた知恵だったんだと思います。


でも、その壁が今のあなたを孤独にしていないか。たまに立ち止まって、確かめてみてもいいかもしれません。


信頼は、少しずつ育てていくもの。焦らなくていいし、あなたのペースで大丈夫です。心の深さは、あなたの宝物でもあるのだから。