「どっちがいい?」と聞くと、「どっちでもいい」と返ってくる。
友だちとのことを話してくれるとき、なぜかいつも「相手がこう言ったから」「相手がこうしたかったから」という話になる。自分のことより、誰かのことを先に考えている。そんな子が、そばにいませんか。
天秤座の子どもたちと関わっていると、いつもこの問いが浮かびます。この子は、どうしていつも"自分より先に相手"なんだろう、と。
天秤座の子どもが感じている世界
天秤座は、風の星座です。場の空気を読む力がとても鋭く、誰かが不機嫌だと自分のことのように感じてしまう。みんなが笑っていると、ほっとする。誰かが傷ついていると、自分も胸が痛くなる。
そういう子は、「優しい子ね」と言われながら、同時に「もっと自分の意見を言いなさい」とも言われてしまうことが多い。
でも、思うのです。この子は意見がないのではなくて、場のバランスが崩れることへの不安が、先に来てしまうだけなのかもしれない、と。
「どっちでもいい」の裏側には、「あなたが選んだほうが嬉しい」という気づかいがひっそり隠れていることがある。それは弱さではなくて、生まれ持った感受性なんだと思います。ただ、それがまだ言葉にできないだけで。
"自分の気持ち"を聞いてもらった日のこと
以前、6歳の天秤座の女の子を育てているママさんが話してくれました。「うちの子、友だちに何か言われると全部受け入れてしまって。家に帰ってから泣くんです。どうしてその場で言えないのか…」と。
ホロスコープを一緒に眺めながら、「場の空気を守ろうとする力がとても強い配置ですね。その場では誰かを傷つけたくなくて、言葉を飲み込んでしまうのかもしれません」という話をしました。
少し間を置いて、「じゃあ、家でだけでも"あなたはどう思う?"って聞いてあげればいいのかな」とつぶやきました。
正解を教えるのでも、強くなれと励ますのでもなく、ただ"あなたの気持ちを聞きたい"と伝えてあげること。それだけで、この子たちは少しずつ自分の声を信じられるようになっていくことが多い、と感じています。
それに、場の空気を読みながら言葉を飲み込んでしまう子を育てることは、親にとっても「どう関わればいいんだろう」と迷う連続だと思います。答えがすぐに見えないその日々を、責めなくていいと思う。この子の繊細さに気づいているだけで、もう十分だから。
この子の"好き"を、一緒に大事にしてみる
天秤座の子どもには、美しいものや心地よいものへの感覚が備わっていることが多いです。絵を描くこと、音楽、部屋の飾りつけ、料理の盛りつけ…そういった"美しく整える"喜びを、一緒に楽しんでみてください。
そして、何かを決めるとき、「あなたはどう思う?」という問いを、日常の小さな場面でそっと置いてみるのもいいですね。夕飯のメニューでも、どの道を歩いて帰るかでも。正解を求める問いではなくて、ただ「あなたの気持ちを聞きたい」という問いとして。
その積み重ねが、その子の中に「自分の感覚を信じていい」という根っこを育てていくのだと思います。
他者を思いやれる子は、きっといつかその優しさで、自分の世界も誰かの世界もそっと明るくする。今はまだ、その力の使い方を学んでいる途中なのかもしれません。
自分より先に誰かを考えてしまうこと。それがしんどさでもあり、その子だけが持つ光でもある。そんなふうに見えると、関わり方が少し変わるかもしれません。