人はたぶん、
同じ宇宙を見ているようで
それぞれ違う軌道を回っている。
誰かの声が胸に残った夜、
その震えは
本当に私の中心に触れていたのだろうか。
相手の世界に浮かんだ私の像と、
私がまだ言葉にしていない輪郭。
ネプチューンの靄が
境目を曖昧にしたとき、
感情は事実の顔をして現れる。
けれど、土星は境界を描き直す。
静かに、しかし確かに。
「ここから先は、君の空だ」と。
他人の星図から視線を外すことは、
拒絶でも断絶でもなく、
潮が引くように
自分の深さへ戻ること。
音の消えた場所で、
呼吸だけが続いている。
そこにはもう
映し返された誰かではなく、
名も急がない、
ひとつの光がある。