7歳の時、母が脳の病気になりました。
「脳幹」という、神経が一番集まっているところの病気で、
その病気になった方の多くが、亡くなる病気です。母は当時まだ30代で、小さい子どもが3人いました。
手術をすると、体に麻痺が残ります。右半身が麻痺になるか、左半身が麻痺になるかを、
術前に選ぶように言われ、父と母は、左半身麻痺を選びました。とても難しく、成功する保証もない手術。
それは、15時間の大手術だったそうです。手術は無事に終わりましたが、母は目を覚ましませんでした。
眠り続け、植物状態となりました。朧げな記憶ですが、子どもたちと父とで、
「お母さん、起きて〜!眠り姫は嫌だよ〜!」というような音声を録音しました。その音声や、母が好きな曲を、父が1枚のCDにして、
病室でかけていたそうです。1週間ほど経ち、母は目を覚ましました。
ちがう姿になった母
術後、母の姿は、大きく変わっていました。
手術のためか、髪はほぼ坊主に。
目の焦点は合わず、喉に管を通していたので、声は出ません。一人では起き上がれず、手足も、思うようには動きません。姿を見ただけでは、同じ人だと認識するのは難しいほどの大きな変化でした。
7歳の私が、術後の母を見たときは、きっととても、
ショックだったと思います。ショックだったと、思います。
少し、怖かったかも、しれません。
でも、それを表に出すことは、
しなかったような気がします。母に対して、ネガティブな表現をしたら、
母も、父も、悲しむのではないか、と、子どもながらに思ったからです。20年以上経ってから振り返ると、
複雑な気持ちを抱えながら、生きていた子ども時代だったのだな、と思います。7歳の自分を、やっと迎えに行けた夜
当時のことについて思い出していたとき、
一冊の本が目に入りました。部屋に置いてあった、『過去占い』という本です。
この本は、「過去からのメッセージを受け取れる本」で、
なんだかとても、当時の自分から、メッセージを受け取りたくなった私は、その過去を占ってみることにしました。出てきたメッセージは、「マジックアワーの空」というタイプ名で、
「変化を歓迎しよう」というメッセージでした。そこには、「変化を恐れるな」ではなく、
「怖いままでもいい」と、書いてありました。そのメッセージを読んで、
当時感じていた、「変化への戸惑い」が、やっと、「いいんだよ」と、言ってもらえたような気持ちになりました。私は怖かった。
変わってしまったことが怖かった。戸惑っていた。でも、隠さなきゃ、と思っていた。素直な気持ちを、誰かを傷つけずに表現する方法を、私は知らなかった。
だからずっと、心のうちに、押し込めていた。そんな気持ちが、このメッセージを受け取ったことで、
溢れ出し、涙がたくさん出ました。やっと、表現できた。
やっと、外に出られた。「怖かった」という気持ちを、20年経って、ようやく、私に受け入れられた。今思えば、怖いのは、戸惑うのは、当たり前のことです。
大好きなお母さんが、まるで違う人のように変化したのですから。もし目の前に7歳の彼女がいたら、
たくさんたくさん、抱きしめてあげたいです。不安を表現する方法もわからず、表現していいのかもわからず、心に押し込めたものが、たくさんあったのでしょう。その、心に押し込めたものを、大人になって、この本を通して、
やっと、迎えにいけた。きいてあげられた。抱きしめてあげることができた。そんな気持ちです。『過去占い』という本に、とても感謝しています。
ありがとうございました。
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