「清は時々台所で人の居ない時に「あなたは真直ぐでよいご気性だ」と賞める事が時々あった。しかしおれには清の云う意味が分からなかった。好い気性なら清以外のものも、もう少し善くしてくれるだろうと思った。清がこんな事を云う度におれはお世辞は嫌いだと答えるのが常であった。すると婆さんはそれだから好いご気性ですと云っては、嬉しそうにおれの顔を眺めている」(夏目漱石「坊っちゃん」)
夏目漱石は2月9日生まれ、太陽水瓶座の小説家です。
「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている」の書き出しで有名な「坊っちゃん」ですが、この作品の「おれ」の「気性」の「真直ぐ」さは、まさに水瓶座の「真直ぐ」さを象徴しています。
「おれ」は、自分を可愛がってくれている清の褒め言葉に対しても、独自の批判精神を発揮し、「お世辞は嫌いだ」と自分の考えを偽らずに表明します。他人に媚びず、頑固なまでに独立独歩の姿勢を崩さない「おれ」の生き方こそ、水瓶座的な「気性」を表しているといえるでしょう。
清は、「おれ」の自分の本心を偽ることのできない、ある意味では不器用な「気性」こそを、とても愛していました。そして、こうした清の「おれ」への愛情は、水瓶座が人から愛される理由を教えてくれているのです。
☆夏目漱石「坊っちゃん」 https://share.google/64yzs9WCPUTsSuqIt