季節の変わり目、窓から差し込む光の色が少しずつ変わっていくのを眺めながら、ふと考えていました。「自分らしさって、何だろう」って。
最近、セッションでこんな質問をよくいただくんです。「私らしく生きたいんですけど、そもそも私らしさって何なのかわからなくて」って。家族のため、会社のため、誰かの期待に応えるために頑張ってきたけれど、気づいたら自分が何を望んでいるのか見えなくなっていた、と。
朝のコーヒーを飲みながら、そんなクライアントさんたちの言葉を思い返していると、星たちが静かに何かを語りかけてくるような気がします。今日はそのことについて、少しお話しさせてください。
太陽と月が教えてくれること
占星術で「自分らしさ」を探すとき、私がまず見るのは太陽と月です。
太陽は、あなたが人生で目指したい方向。「こうありたい」「こう生きたい」という意志のようなもの。一方、月は、誰にも見せない本音の部分。「本当はこう感じている」「こうすると安心する」という、心の奥底にある素直な気持ちです。
例えば、太陽が天秤座にある方は、調和を大切にしたい、美しいものに囲まれて生きたい、という人生の方向性を持っています。でも、月が蠍座にあると、心の奥では「深く誰かとつながりたい」「表面的な関係じゃ物足りない」という本音を抱えている。
この太陽と月が、同じ方向を向いていればスムーズなんですが、時には違う方向を向いていることもあるんです。そのとき、「自分らしさがわからない」という感覚が生まれやすいのかもしれません。
先日、30代前半の女性クライアントさんとお話ししていたときのことです。彼女は太陽天秤座、月蠍座の配置でした。「いつも周りに合わせて、笑顔でいるんです。でも、本当は心の中でモヤモヤしていて」と涙を浮かべながら話してくれました。
「あなたの太陽は、周りと調和を取りながら生きたいって言っている。でも、月は『もっと深く本音で語り合いたい』って叫んでいるんですね」とお伝えすると、彼女は「そうなんです!」と大きくうなずきました。
「どちらも、あなたなんですよ」と続けると、彼女の表情が少しずつほぐれていきました。太陽の望みも、月の本音も、どちらも否定する必要はない。ただ、それぞれの声に耳を傾けて、両方を大切にする生き方を探していけばいいんです。

もうひとつの自分──見せている顔と本当の顔
太陽と月に加えて、私がよく見るのがアセンダント(上昇宮)です。これは「人に見せている自分」「第一印象」を表します。
アセンダントが獅子座だと、明るくて華やか、自信がありそうに見られることが多いです。でも、太陽が乙女座で月が山羊座だったら?人前では堂々としているけれど、本当は地道にコツコツ努力するタイプで、心の中では「ちゃんとできているかな」と不安を感じているかもしれません。
以前、こんなクライアントさんがいました。アセンダント獅子座、太陽乙女座、月山羊座の40代の女性です。
「私、人からは『明るくて元気ね』って言われるんですけど、本当は違うんです。家に帰ると疲れ果てていて…自分がよくわからなくなるんです」と話してくれました。
ホロスコープを一緒に見ながら、「人前で明るく振る舞うのも、あなたの一部。でも、地道に努力したい気持ちも、しっかり計画を立てたい気持ちも、全部あなたなんですよ」と伝えました。
「見せている自分」と「本当の自分」が違うと感じるとき、それは「どちらかが偽物」なのではなく、「どちらも本物で、バランスを取ろうとしている」ということなんです。
彼女は後日、「『全部私でいいんだ』と思えたら、すごく楽になりました」とメッセージをくださいました。
自分らしさは、探すものじゃなくて育てるもの
お風呂に浸かりながら、今日お話ししたクライアントさんたちのホロスコープを思い浮かべていました。そのとき、ふと気づいたんです。
「自分らしさ」って、どこかに隠れているものを探し出すというより、今ある自分のいろんな面を認めて、少しずつ育てていくものなのかもしれない、って。
太陽の「こうありたい」という意志も、月の「本当はこう感じている」という本音も、アセンダントの「こう見られている」という側面も、全部あなたです。矛盾していてもいいんです。むしろ、その矛盾こそが、あなたらしさを豊かにしているのかもしれません。
もしあなたが今、「自分らしさがわからない」と感じているなら、こんなふうに試してみてください。
まず、「私は本当はどう生きたいんだろう?」と自分に聞いてみる。これが太陽の声です。
次に、「私は本当はどう感じているんだろう?」と心の奥に耳を澄ませてみる。これが月の声です。
そして、「人からはどう見られているんだろう?」と客観的に振り返ってみる。これがアセンダントの姿です。
その三つの声が、少しずつ対話を始めたとき、きっと「ああ、これが私なんだ」という感覚が生まれてくると思います。
星空を見上げると、たくさんの星が輝いていますよね。どの星も、それぞれの光を放っている。あなたの中にも、いろんな星が輝いています。その全部を認めてあげることが、自分らしく生きる第一歩なのかもしれません。
今夜、静かに自分の心に問いかけてみてください。「私は、本当はどうしたいんだろう?」って。その答えを急がなくていいんです。ゆっくり、やさしく、耳を傾けてあげてくださいね。
あなたの中の星たちが、やさしい光を放ちますように。