「恋愛で見るのは太陽星座じゃなくて、金星と月なんですよ」
クライアントさんにそう伝えると、たいてい「え、そうなんですか?」という反応が返ってくる。雑誌の星占いでずっと太陽星座を見てきたから、無理もない。でも、恋愛って、もっと複雑で繊細なものだと思うんです。「好き」という感情の裏側には、いくつもの層がある。その層を読み解くには、太陽だけじゃ足りない。金星と月、この2つの星が教えてくれることがたくさんあります。
太陽は「目指す自分」、金星は「好きになる自分」
太陽、月、金星。この3つの星は、占星術では「個人天体」と呼ばれていて、私たちの内側の基本設計図みたいなものです。
太陽は、あなたのアイデンティティ。人生で目指したい方向性や、「こうありたい」という理想の自分。だから、恋愛でも「こういう恋愛をすべき」「こういうパートナーが望ましい」って、ちょっと理想が入りやすい。頭で考える恋愛、と言ってもいいかもしれません。
一方、金星は「好きになる自分」。何に魅力を感じるか、どんなものを美しいと思うか、どう愛したいか。これは理屈じゃなくて、自然と湧いてくる感覚です。例えば、太陽が牡羊座で「情熱的な恋愛がしたい」と思っていても、金星が牡牛座だったら、実際には穏やかでゆっくりとした関係を心地よく感じたりする。
そして月は、感情の土台。安心感や心の居場所を表す星です。「この人といると、なぜかほっとする」とか「理由はわからないけど、落ち着く」って感じたことありませんか?それ、月が共鳴してるんです。
恋愛で大切なのは、太陽じゃなくて、この金星と月。「好きになる(金星)」と「安心する(月)」、この2つが揃ってはじめて、関係は深まっていきます。
「ドキドキ」と「ほっとする」は、違う星が動いてる
恋愛の初期って、金星が全開で動いてる時期なんですよね。相手のどこかに魅力を感じて、「好き」という感情が湧いてくる。ドキドキして、会いたくて、一緒にいる時間が楽しい。これ、全部金星の仕事です。
でも、関係が長く続くかどうかは、月が鍵を握ってる。以前、こんな方がいました。金星が獅子座で、華やかで情熱的な恋愛にすごく惹かれるんだけど、月が蟹座で、本当は静かに家でゆっくり過ごす時間が一番安心するタイプ。お付き合いが始まると、相手の華やかなペースについていけなくて疲れてしまう、というパターンを繰り返していたんです。
「ドキドキする相手」と「ほっとする相手」が違うことって、実はよくあります。金星だけが合っても、月が合わないと、どこかで息苦しさを感じてしまう。逆に、月が合うと、「なぜかこの人といると楽」という感覚が生まれます。言葉にできないけど、心が休まる。それが、長く続く関係の土台になるんです。
自分の金星と月を知ると、「ああ、だから私はこういう恋愛パターンなんだ」って、腑に落ちることが増えます。ドキドキを求めるのか、安心を求めるのか、その両方なのか。自分の「好き」のかたちが見えてくる。
自分の星を知ることは、自分を愛すること
金星と月、両方を見ることで、あなたの恋愛の全体像が見えてきます。どちらか一方だけじゃなくて、両方のバランスを意識してみてください。
もし興味があれば、自分のホロスコープで金星と月の星座を調べてみてくださいね。ネットで無料のホロスコープ作成サイトもたくさんあります。「好き」のかたちは、人それぞれ。あなたの星が教えてくれる「本当の好き」を、ぜひ感じてみてほしいです。
自分の星を知ることは、自分を愛することにつながる。そう思っています。
また次回。