ぐるりと巡って、木星の軌道でまた出会う


気づけば、書くことから離れて十二年が経っていた。  

終わらせたつもりもなく、  

ただ、木星がひとまわりするあいだ、  

私は別の季節を生きていた。


現実に注いだエネルギーは、確かに私を満たしていた。  

だから創作が止まったというより、  

宇宙の風向きが変わり、  

私の軌道もそちらへ傾いていただけだった。


そして今、木星が再び同じ場所に帰ってきた頃、  

私はまた言葉の前に立っている。  

呼ばれたわけでも、戻ろうとしたわけでもなく、  

ただ、星のリズムに合わせて、  

自然とここに帰ってきた。


人生には、  

木星のように十二年でひとまわりして、  

同じテーマに出会い直す周期があるのかもしれない。


かつて「好きだから」触れていたものに、  

今は「誰かの灯りになれたら」と触れている。  

同じ場所に見えて、  

立っている自分はもう違う。


今、ひとつのサイクルが静かに終わり、  

次の流れの入口に立っている。  

長くいた場所から少し離れ、  

これからの道をそっと撫でるように考えている。


そんな時期に、また「書く」に戻ってきた。  

まるで次の旅に出る前に、  

一度、自分の中心へ帰されているようだった。


十二年前に手放したものが、  

木星の軌道をひとまわりして、  

今の私に必要な形で戻ってきた。


ぐるりと一周して戻ってくるのは、  

同じ自分に戻るためじゃない。  

違う自分で、もう一度そこに立つため。


---


アウルブックの空気に触れて


そんな折、アウルブックのライブを見た。  

画面越しなのに、空気がやわらかく揺れていた。


「どんなフレーズが響いた?」  

「どうしてここに来たの?」  

Miroに並ぶ付箋は、心の断片のようで、  

そこに浮かぶ言葉たちが、ひとつの風景をつくっていた。


やさしさの粒。  

探求の火。  

ときどき宇宙。


癒しと探求と感覚が、  

ひとつの場所に静かに同居している。


入口は軽やかで、  

中は深い。


正解を探す場所ではなく、  

安心して探せる場所。


まだ生まれて9ヶ月の、未完成の場所。  

けれど、その未完成さが、  

これからどんな風に育っていくのかを  

楽しみにさせてくれる。


---


そして気づく。


創作に戻ってきた自分と、  

アウルブックで感じた空気は、  

同じ方向を指していた。


どちらも、  

次の流れに入る前に、  

自分の中心へ帰るための場所。


木星がひとまわりして、  

私はまた書き始めている。