想像してみてください――

天空の城ラピュタが、もしも単なる空に浮かぶ都市ではなく、天文学や占星術の叡智を宿す“星の都”であったなら。



こんにちは、占星術師の hanna かなりあ です。


ふと思う、ラピュタの人が星を詠むプロ達の集団だったなら。巨人兵がアストロスコープを読み取る、星の軌道を知ることのできる観測者だったなら。これはifの物語。


そこにはきっと、夜空を写し取る巨大な無垢水晶のレンズや、天空をなぞる黄金のアストロラーベが静かに輝いていたでしょう。

古代の人々は、星々の運行をただの自然現象ではなく、神々からのメッセージと信じ、


その規則性に宇宙の秩序を見出しました。


ラピュタの王族は、空に漂いながら地上を見守り、惑星の合や食を読み取り、人間の運命と歴史の潮流を操る術を受け継いでいたのかもしれません。



たとえば城の中央には、巨大な天球儀が回転し、月や太陽、水星から土星までの運行が光の粒で刻まれていたと想像するとどうでしょう。


そこに刻まれる軌道は単なる暦ではなく、


未来を告げる言葉。


地上の国々が繁栄するとき、あるいは滅びゆくとき、その兆しはすべて夜空に書かれていたのです。


そして、ラピュタの学者たちは星図を解き明かし、地上へと知恵を授けた――


そんな伝承があったとしたら、それは人類史の最も美しい秘密となるでしょう。



天文学は観測の学であり、占星術は解釈の学です。


もしラピュタがその両方を極めていたならば、


天空の都は単なる軍事的な浮遊要塞ではなく、星々と人類をつなぐ橋渡し役。


古代文明の叡智の結晶として、人類の夢を天空に託した“宇宙の神殿”そのものだったのです。



星を読むことは、過去と未来を同時に見つめること。


ラピュタが空に浮かんでいたという伝説そのものが、人類が星に憧れ、そこに意味を求め続けた証なのかもしれません。


考えるほどに、古代のロマンは尽きることがなく、私たちの心を再び夜空へと誘うのです。



――もしラピュタの廃墟に残されたのが、


武器ではなく星の記録だったとしたら。


人類はその書を手に、再び天を目指すのかもしれません。