あの人の様子が、少しだけ違っていた。
言葉は明るいのに、ふとした瞬間に表情が曇る。
いつも通りに見せようとするほど、その違和感に気づいてしまう。
無理をしているのだと、なんとなくわかってしまう。
昔から、人の気配の変化には敏感なほうだった。
声の調子、言葉の間、視線の揺れ···
そういったものから、相手の心の動きを感じ取ってしまう。
だからこそ、大切な人が苦しそうにしていると、どうにか助けたい、支えたいという思いが強くなる。
けれど同時に、心配が過ぎて言いすぎてしまったり、相手の気持ちを想像しすぎて、自分の殻に閉じこもってしまうこともある。
人を思う気持ちがあるからこそ、不器用になることがあるのだと思う。
それでも、私は信じている。
寄り添いたいという気持ちは、きっと届く。
たとえすぐに言葉にならなくても、そっとそばにいることが力になる瞬間があると。
最近は、以前よりも力を抜いて向き合えるようになった。
「すべてを自分で抱え込まなくてもいい」
そう思えるようになってから、人との関わり方が少し変わった。
相手が話したくなるまで、焦らず待つ。
その静かな時間のなかで、自分自身の気づきや、新しいアイデアがふと生まれることもある。
それが、私なりの寄り添いかた。
無理に解決しようとせず
ただ、相手の隣に静かにいるという選択もまた、ひとつの優しさだと、今は思える。
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月×金星60度
水星×天王星60度
太陽×火星60度
