私のお店にあるホワイトアメジストに砂糖菓子のようなキラキラしたドゥルージーが付着していて、月の表面、地層を一瞬思わせた。
そこから検索して、レゴリスなるものを見つけて綴ってみました ( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )❤︎。
月の表面を覆う「レゴリス」。
それは無数の隕石の衝突と悠久の時の積み重なりによって生まれた、灰色の細かな砂礫の層です。
星読みの目で見れば、このレゴリスは私たちの心の奥にたまる「無意識の堆積物」に似ています。
人は生まれてからの体験や感情を、記憶として積み重ねてゆきます。
忘れられた出来事や、
うまく言葉にできない感情の破片。
やっと動くことが出来たあの言葉。
それらは見えない層を作り、
やがて「月=心の根っこ」と結びついて、
私たちの内的風景を形作っていくのです。
西洋占星術で月は「母性」「感受性」「日常の安心」を司り、同時に「過去」と深く結びつきます。
けれど、その表面は静かに見えても、実際には幾度も隕石が落ち、粉々になった記憶のかけらが重なり合っています。
このレゴリスの層を思い描けば、
私たちの心もまた、幸せや傷や喪失や喜びやが降り積もってできたものだと考えてもいいでしょう。
占星術において、トランジットの月は日ごとに黄道を巡り、
私たちの心に、時としてさざ波を立てます。
これは、レゴリスに新たな破片が降り積もるようなものです。
ときに、太陽や土星、冥王星などと角度を結ぶと、
その下に眠る古い堆積物が刺激されます。
昔は忘れたと思っていた痛みや記憶が浮かび上がり、心の砂塵が思いもよらず舞い上がるのです。
しかしそれは「浄化」と「再生」のサインでもあります。
つまり月のレゴリスは、単なる灰ではなく
「魂の考古学資料」。
それをどう扱うかが、私たちの成熟を決めるのです。
自分のホロスコープの月星座やハウスを見つめるとき、
そこには心のレイヤーが刻まれています。
蟹座の月なら家庭的な温もりの堆積、
蠍座の月なら深い情念の結晶、
射手座の月なら冒険心の砂嵐。
どの月も、その人だけのレゴリスを抱いているのです。
占星術師の仕事は、
その層にそっと耳を傾けること。
無意識の砂の中から、あなたを支えるまだ光り輝いていない宝石のような感情を見つけ出すこと。
月のレゴリスはただの灰色に見えても、
星々の光が射すとき、それは心を映す鏡となり、
運命の航路を優しく、
でも確かに照らしてくれるのです。