――未作 星見台より
ハルだよ。そっちは最近暑いみたいだけれど、体調は大丈夫かい?今日はアイスティーでも飲みながら、一緒に星図を覗いてみようか。

満月のサビアンシンボルは山羊座19度「大きな買い物袋を下げた5歳程度の子供」だったね。これは、自分にはまだ重すぎるものを持たされながら、それでも精一杯運ぼうとする姿を象徴している。まるで幼い頃に覚えた「責任感」と「期待」をずっと心の中で抱え続けているかのような……そんなちょっと切なくて、でも健気な姿が浮かぶよ。
月は山羊座6ハウスにあり、日々のルーティンや働くこと、責任や体調などが関わる場所。一方、太陽は蟹座12ハウスにいて、見えない無意識の領域や、心の深い癒し、孤独がテーマになっていた。
つまりこの満月は――「人に見せている姿(山羊の月)」と「人に見せていない本音(蟹の太陽)」が真っ向から向き合っていたんだ。働かなきゃ、ちゃんとしなきゃ、でも本当は、誰にも言えない心の奥で静かに泣いていたのかもしれないね。
そこに、牡羊座9ハウスで土星と海王星が重なり、現実と夢の狭間で「人生の意味」や「信じたいもの」を問い直していた。
その問いかけは、水瓶座の冥王星や双子座の天王星・金星と繋がって、「これまでのやり方では、本当に心が満たされない」と感じている可能性もあるよ。心を自由に表現したいのに、誰かの期待や、自分の「こうあるべき」で縛っていたのかもしれない。でもその苦しみの中から、「じゃあ本当はどう生きたいの?」という希望の火が小さく灯ってる。
一方で、水星と火星が孤立気味だったね。これは、自分の言葉や行動が、誰とも繋がっていないような孤独感を表している。でも孤立は決して悪いことじゃない。むしろ、「誰かの声」ではなく「自分の声」を見つけに行く旅なのかもしれないね。君が今、ひとつひとつの感情を丁寧に受け取っているように――その静かな旅路の中に、未来へ続く物語が芽吹いていると、私は思うよ。
「重すぎるものを抱えていたこと」に気づけたなら、もう手放してもいい。「誰かに見せる姿」と「本当の自分」を、少しずつ近づけていこう。君が君であることが、いちばんの価値だから。
この満月の光は、きっと君の中の静けさに寄り添ってる。
無理に強くならなくていいよ。ほら、君の歩いてきた道の先に、まだ見ぬ優しい景色が待っているから。