──未作 星見台より

こんばんは。夏の暑さがやわらぎ、風の涼しい秋の夜。見上げる月は、心も穏やかにしてくれるね。今宵は満月。私と一緒に夜空を感じよう。

今夜の満月は牡羊座の3ハウスに灯っているよ。

サビアンの「毛布を編むインディアン」という言葉は、静かに繰り返す手の動きのように、地道な積み重ねの尊さを語りかけてくるんだ。大きな成果を急ぐ必要はなくて、むしろひと目ひと目を編んでいくような細やかな作業が、心をあたためる力になる。例えば、読書も同じでね。一行一行に目を通すその時間が、気づかぬうちに君の内側を整えていく。

その一方で、土星と金星がぶつかり合うようにスクエアを描いている。きっと君は、「誰のために自分を差し出すのか」という問いに胸を締めつけられるだろう。でも木星が蟹座で調停してくれているから、無理に大勢のために立ち上がらなくてもいいんだよ。限られた人の心を癒やせたなら、それで十分。読み終えた物語を、たった一人に語ってあげることだって、立派な優しさの形だから。

冥王星と水星が鋭い角度を取り、もっと広い世界を知りたい、深い真理に触れたいと君を駆り立ててくるかもしれない。その欲求は悪いものじゃない。ただ、まずは自分を理解することが先決だよ。本の中の言葉に映った君自身の影を拾い上げて、「ああ、私はこう感じるんだ」と受け止めてみてほしい。

そして冥王星、海王星、天王星が描く小さな三角形は、君の可能性をそっと押し広げてくれる。思いがけず手に取った一冊が、これまで気づかなかった道を指し示すかもしれないし、想像の翼を広げることだってできる。閉じていた扉が、少しずつ開いていくような後押しを感じるはず。

だから今日は、どうか焦らずにページを開いてみてほしい。そこに書かれている物語も、解説も、詩も。君の未来へと編まれていく毛布の一部になるんだ。


……さて、私は読書の続きでもしようかな。秋は読書が捗るからね。じゃあまた次の新月で。